【目次】
1.はじめに
2.オフショア開発とは
3.オフショア開発委託先の選び方
4.オフショア開発人気国TOP7を徹底比較!
5.おわりに
1.はじめに
GAFAと呼ばれるIT企業が世界経済を牽引する時代となった今、先進国である日本にとって、IT企業の発展は日本の未来を左右する重大な責務となっています。
しかし、現在日本では「IT人材不足」が深刻な社会問題です。
そこで近年、「優秀な海外エンジニアの確保」「システム開発のコスト削減」などのメリットが得られるオフショア開発が注目されていますが、
「オフショア開発の委託先が決められない」
「どこの国に業務委託するべきかわからない」
こんな不安を抱えている会社さんは多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、オフショア開発委託先の選び方や、オフショア開発人気国TOP7を徹底比較しました!
ぜひ、オフショア開発の委託先を検討している方は参考にしてください!
2.オフショア開発とは
オフショア開発とは、システムなどの開発業務を、日本よりも人件費の安い海外の開発会社に委託する開発手法です。
こうすることで、開発コストの大半を占める人件費を削減することができ、「開発コストの大幅な削減」が期待できるほか、日本で不足している「優秀なIT人材を海外から確保する」ことができます。このほかにも、オフショア開発には様々なメリットがあります。
オフショア開発のメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
3.オフショア開発委託先の選び方
企業にとって最適な開発委託先を選ぶことは、オフショア開発を成功させる上でとても重要です。
企業に適していない開発委託先を選んでしまうと、
「思ったよりエンジニアの能力が低くて、納期に間に合わない」
「うまくコミュニケーションがとれず、失敗してしまった」
なんてことになりまねません。
このような失敗をしないために、ここではオフショア開発委託先の選び方を紹介します。
「まだオフショア開発の委託先が決まっていない」という方はぜひ参考にしてください。
開発プロジェクトに合わせた委託先を選ぼう!
オフショア開発では、委託する業務によって適している国や開発会社、契約形態が異なります。なぜなら、国や開発会社によって得意とする分野や業務形態が様々だからです。
例えば、オフショア開発をする一番の目的が「大幅なコスト削減」なのであれば、より人件費の安い国を選ぶことが優先になりますし、小規模のプロジェクトを継続的に委託したい場合は、一般的である「請負契約※1」よりも、「ラボ型契約※2」が向いています。
業務委託する開発プロジェクトに最も適している委託先を慎重に検討しましょう!
※1請負契約:製品の成果に対して責任を負う契約形態
※2ラボ型契約:ある一定期間で発注する仕事量の最低保証を行う契約形態
コミュニケーションの取りやすい開発会社がおすすめ!
オフショア開発会社は、日本企業が設立した日系の開発会社と現地のIT会社の2種類にわけることができます。
日系の開発会社に業務委託する場合、親会社である日本企業が仲介してくれるため、日本語で契約まですすめることができ、とても便利です。
現地IT会社に業務委託する場合、基本的には英語でのやりとりになります。そのため、社内に英語が堪能な人材がいないとコミュニケーションがとりづらいこともあるでしょう。
オフショア開発で失敗する原因の多くが「コミュニケーション不足」によるものです。
コミュニケーションがとりやすい開発会社を選ぶということは常に意識しておくようにしましょう!
開発実績は必ずチェックしよう!
近年では、国内外でのオフショア開発需要の増加に伴い、オフショア開発会社が年々増えています。「どこに決めたらいいかわからない」という方でも、各会社の開発実績は必ず確認するようにしましょう!
自社が委託する開発案件に対応可能か、優秀なエンジニアはいるのか、などは開発実績を見れば、ある程度把握することができます。
オフショア開発会社を選択する際には、開発実績に必ず目を通すようにしましょう!
4.オフショア開発人気国TOP7を徹底比較!
オフショア開発委託先の選び方について理解できましたか?
ここでは、オフショア開発で人気の国TOP7を比較しながら紹介していきます。
どこの国に業務委託するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください!
コストメリット | コミュニケーション | 開発能力 | |
中国 | ×人件費の高騰 | 〇中国語、オフショア経験多 | 〇 |
インド | ×人件費の高騰 | 〇ヒンドゥー語、オフショア経験多 | ◎ |
ベトナム | △人件費高騰の可能性 | 〇ベトナム語、親日国 | ◎ |
フィリピン | 〇 | ◎英語、フィリピン語、親日国 | △デザイナー多い |
マレーシア | △他東南アジアより高い | △多民族国家 | 〇 |
インドネシア | 〇 | △インドネシア語 | △アプリ開発、WEB制作 |
タイ | 〇 | 〇タイ語、親日国 | △デザイナー多い |
中国
中国オフショア開発のメリット
日本から近く、時差も1時間と少ない中国は、古くからオフショア開発の地として開拓されてきた歴史があります。そのため、オフショア開発の実績が豊富な会社も多く、世界トップレベルの高いIT技術を持つ委託先として信頼できる国です。また、世界一の人口を保有する中国ですので、優秀なエンジニアをすぐに確保することができます。
中国オフショア開発のデメリット
中国では急速な経済成長に比例して、人件費の高騰も続いています。そのため、長期的な視点で中国でのオフショア開発を考えると、コストメリットが出せなくなるというデメリットが考えられます。また、中国製品の品質問題からもわかるように、中国人には一定の水準を満たしたらそれ以上の品質は突き詰めないという国民性も見受けられます。中国オフショア開発においては、こまめな品質チェックはかかせません。
中国オフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
インド
インドオフショア開発のメリット
IT大国とも呼ばれるインドでは、豊富なIT人材を保有し、その技術力は世界トップクラスと言われています。大手IT企業のCEOにはインド出身のエンジニアも多く在籍しており、インドオフショア開発では上流工程の高度な案件も安心して任せることができます。また、インド人は英語が堪能なのでコミュニケーションが取りやすいこともオフショア開発をするうえで大きなメリットになります。
インドオフショア開発のデメリット
インドは、中国と同様に人件費が高騰しています。中国のGDPが日本を追い抜いたように、次はインドが日本を抜くのではないかと言われています。「開発コストの削減」を目指す企業にとってインドは不向きであると言えます。
インドオフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
ベトナム
ベトナムオフショア開発のメリット
近年最も人気なオフショア開発委託先であるベトナムは、人件費も安く、日本人と近しい勤勉でまじめな国民性が多くの企業から評価されています。また、ベトナムでは政府がICT教育を推進しているため、若くて優秀なエンジニアが豊富です。オフショア開発会社も豊富なので、多くの選択肢から最適な開発会社を見つけることができるでしょう。
ベトナムオフショア開発のデメリット
現在オフショア開発の委託先として最も人気な国であるベトナムでは、中国やインドと同様に今後人件費の高騰が予想されます。長期的にコストメリットを出していきたいという企業には、これがデメリットとなりえるでしょう。
ベトナムオフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
フィリピン
フィリピンオフショア開発のメリット
英語が公用語とされており、日本との時差も1時間であるフィリピンはオフショア開発の地として人気な国の一つです。フィリピンでは優秀なデザイナーが多く、オフショア開発の誘致が積極的に行われています。また、勤勉なフィリピン人の国民性は日本人との相性もいいと言われています。
フィリピンオフショア開発のデメリット
フィリピンエンジニアの開発スキルは、現在東南アジアにおけるオフショア開発地として1番人気のベトナムと比較すると多少劣ってしまいます。そのため、納期が短い案件や高度なプログラミング技術が必要となる案件には不向きです。
フィリピンオフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
マレーシア
マレーシアオフショア開発のメリット
マレーシアは、IT企業を優遇している国として世界的に有名であり、マレーシア人および外国人労働者の無制限雇用や、最高10年間の法人税免除などの特典が付与される「MNCステータス」というプログラムもあります。IT企業にとって、オフショア開発の地として魅力的な国であることは間違いありません。
マレーシアオフショア開発のデメリット
マレーシアは、他の東南アジアと比較すると人件費が高いというデメリットがあります。例えば、マレーシアで新卒技術者を雇用する際にかかる費用は、月収にして約10万円弱、2~3年ほどのキャリアがある人材であれば15~20万円弱程度です。日本のエンジニアの人件費と比較して格安という訳ではないので、現地への渡航費や滞在費が加わると大幅なコストカットは難しいといえるでしょう。
マレーシアオフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
インドネシア
インドネシアオフショア開発のメリット
スマートフォンの所有率の高いインドネシアでは、モバイルアプリ開発やWEB開発を中心にオフショア開発が行われています。まだオフショア開発地としての歴史も浅く、長期的なコストメリットも見込めることから、開発委託先として人気の高い国です。
インドネシアオフショア開発のデメリット
英語があまり普及していないのでコミュニケーションがとりにくいことがデメリットとして考えられます。また、インドネシアでは国民の約9割がイスラム教徒となっており、異文化理解の姿勢が求められます。例えば、イスラム教徒のいる職場では1日5回礼拝のための礼拝室や休憩を確保すること、礼拝をおこなうための「レバノン休暇」などが国で定められています。
インドネシアオフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
タイ
タイオフショア開発メリット
フィリピンと同様、優秀なデザイナーが多いタイでは、優秀な人材を安い人件費で大量に雇うことができるというメリットがあります。最低賃金は日本の1/7という人件費の安さを誇るタイにおいては、優秀なエンジニアでも日本のエンジニア人件費の1/4~1/3程度で雇うことができます。首都バンコクを中心に、ITインフラも整備されているタイは今後オフショア開発の委託先としてメジャーになっていくでしょう。
タイオフショア開発デメリット
タイでは軍主導のクーデターや大規模なデモが多く、不安定な政情が深刻なデメリットになりえるでしょう。また、日本と同様に少子高齢化が進んでいる国なので、若くて優秀なエンジニアを確保するという目的において、タイは不向きな国であると言えるでしょう。
タイオフショアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
5.おわりに
オフショア開発委託先の選び方から、オフショア開発人気国TOP7までを比較しながら紹介しました。
- オフショア開発とは、システムなどの開発業務を、日本よりも人件費の安い海外の開発会社に委託する開発手法
- オフショアの委託先を決める際には、開発プロジェクトに合わせた委託先を選ぶことが重要!
- コミュニケーションがとりやすい開発会社を選ぶのがおすすめ
- 委託先の開発実績は必ずチェックするべし!
オフショア開発では、委託する案件によって、最適な国や開発会社が大きく異なります。リスクも高いと言われるオフショア開発において、最適な委託先を選択することはとても重要です。
ぜひ、自社に適した委託先を慎重に検討してください!