5分で絶対にわかる「オフショアとアウトソーシングの違い」について

オフショア(オフショアリング)とアウトソーシングはどちらも業務委託という点では同じですが、その委託先に明確な違いがあります。
この記事では、オフショアとアウトソーシングの違いや、委託される業務内容の違い、オフショアのメリットや課題までを簡単に解説しています。
オフショアまたはアウトソーシングを検討している方は、ぜひ参考にしてください!

オフショアとアウトソーシングの違いとは?

オフショア(オフショアリング)とは、海外に業務の一部もしくは全てを委託することを言います。それに対し、アウトソーシングとは、国内外問わず社外に業務の一部を委託することを言います。

つまりは、【海外に】業務委託するのがオフショアで、国内外問わず【他社に】業務委託することをアウトソーシングと使い分けているのです。

オフショア(off=離れる shore=岸を)という言葉はもともとアメリカが語源でしたが、近年日本でも新たな業務委託形態として注目されはじめ、製造業やIT企業などを中心に普及しました。

➀委託される業務の違い

オフショア(オフショアリング)では、単純作業でマニュアル化できる生産系業務や、テレワークで作業可能なデスクワーク、コールセンターなどの業務が主に委託されています。また近年では、研究開発や設計などの高度なプログラミング技術を要する業務も多く委託されており、これをオフショア開発と呼ぶこともあります。

アウトソーシングでは、労務管理、会計および経理、人材採用、WEBサイト制作などの専門性が高く定型的な分野の業務が主に委託されています。

➁メリットの違い

オフショアのメリット

大幅なコスト削減
人件費の安い海外に業務委託することで、大幅なコスト削減が実現できるのはオフショアの大きなメリットです。人気の委託先としては、中国やインド、ベトナムなどが代表的です。特に近年では、ベトナムをはじめとした東南アジアでのオフショアが増えています。

労働力の確保
少子高齢化が加速する日本では、労働人口不足が大きな社会問題となっています。特にIT分野の人材不足は深刻で、2019年3月に経済産業省が公表した調査によると、2030年には約45万人ものIT技術者が不足すると予測されています。そこで海外の若くて優秀なIT人材を確保できるオフショアが近年注目されています。

グローバル化への対応
海外に拠点を置くことによるメリットもオフショアが選ばれる理由の1つです。多様性の確保や、顧客のグローバル化への対応、海外での開発や生産が可能になるなどの様々な恩恵を受けることができます。

アウトソーシングのメリット

生産性向上
社内の中で会計や労務などの事務作業まですべて回そうとすると逆に効率が悪くなってしまいます。そこで、自社では本業の効率化を、その他の専門性の高い作業は社外へ委託をすることで、生産性向上を実現することができます。

商品、サービスのクオリティ向上
アウトソーシングでは主に専門性が高く定型的な業務(人材採用や会計など)が委託されます。そのため、自社の商品、サービスのクオリティ向上が見込めるという点もアウトソーシングのメリットです。

知っておきたい!オフショアの課題について

コミュニケーションの壁

オフショアは海外とのやり取りになるので、英語での会話が大前提になります。そのためコミュニケーションがうまく取れず、業務が効率よく進まないというケースも少なくないのです。英語力を身につける必要がありますが、そうなると結果として、初期段階のコミュニケーションコストが膨大になってしまうということにもなりかねません。

文化の違い

オフショアでよく問題になるのが、品質問題です。これは互いの文化の違いによる認識のズレが影響しているケースが多いのですが、このズレを無くすためには、細かな進捗確認や、頻繁な打ち合わせ、質疑応答が必要になります。そうすると、日本での業務よりも時間がかかってしまい、慣れるまでは効率が悪くなってしまうということもよくあります。オフショアは、そういったリスクがあることも承知のうえで、進めていかなくてはいけません。

人件費高騰

オフショアでは、業務委託先の人件費も考える必要があります。例えば、10年ほど前までは委託先として一番人気だった中国ですが、急激な経済成長により人件費が高騰し、現在ではベトナムなどの東南アジアに人気が移り変わりました。委託先の経済成長から、人件費、物価の高騰を予測し、慎重に委託先選びをする必要があります。

情報管理

これはアウトソーシングでも同じリスクが考えられますが、情報の管理には気を使わなければなりません。特に海外で開発業務を行う際などは、事前に情報管理についての取り決めを確認しておくことがマストです。

まとめ

オフショアとアウトソーシングの違いをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

  • オフショア(オフショアリング)とは、海外に業務の一部もしくは全てを委託すること
  • アウトソーシングとは、国内外問わず社外に業務の一部を委託すること
  • オフショアのメリット
    ➀コスト削減➁労働力の確保➂グローバル化への対応
  • アウトソーシングのメリット
    ➀生産性向上➁商品、サービスのクオリティ向上
  • オフショアの課題
    ➀コミュニケーション➁文化の違い➂人件費高騰➃情報管理

オフショアとアウトソーシングは似たような意味ですが、その委託先や委託する業務は異なってきます。それらの違いをきちんと理解した上で、自社が委託する業務にはどちらが最適な委託方法なのかを慎重に判断することが大切です。

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