「フィリピンのオフショアって実際どうなの?」
「フィリピン人エンジニアのリアルな給与や技術レベルが知りたい!」
こんな疑問を抱えている会社さんは多いですよね。
そこでこの記事では、フィリピンオフショアのリアルな情報(フィリピンオフショアならではのメリットや、よくある失敗例、給与や採用方法についてなど)をまとめました。
フィリピンでのオフショアを検討している方はぜひ参考にしてください!
この記事は、フィリピンでのオフショア経験がある経営者の方へ実施したアンケート調査を基に作成されています。オフショア経験者にしかわからないリアルなフィリピンでのオフショア情報をもりこんだ記事になっていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
【目次】
1.フィリピンでオフショアする5つのメリット
2.フィリピンオフショアのよくある失敗例と対処法
3.リアルな現場での給与と評価について
4.採用について
5.フィリピンオフショアに関するよくある質問
6.フィリピンでおすすめの開発会社5選
7.まとめ
1.フィリピンでオフショアする5つのメリット
近年フィリピンでのオフショアが注目されている背景には、フィリピンオフショアならではのメリットが関係しているようです。
フィリピンオフショアのメリット5つ
- 給料は安いが、技術力は高い
- 人材が豊富
- 英語が通じる
- 日本から近い
- 日本人との相性が良い
➀給料は安いが、技術力は高い
フィリピン人エンジニアの月給は、新卒レベルで3~4万、3年以上の経験者レベルでも5~6万程度の月給です。日本人エンジニアだと、新卒の月給で約25~30万程度なので、フィリピン人エンジニアの給料が安いことは言うまでもないですね。
給料は安いですが、エンジニアとしての技術力は高いというのがフィリピンでオフショアするメリットです。フィリピンは大学進学率も高く、日本のエンジニアと変わらないほどの技術力を持つエンジニアもいます。実際にフィリピンでのオフショア経験者に実施したアンケート結果でも「人件費の割にパフォーマンスが高い」などの回答がありました。
➁人材が豊富
世界銀行が2018年7月に更新したフィリピンの人口は、1億490万人です。フィリピンの人口は毎年増加を続けており、人口ピラミッドは綺麗な三角形で構成されています。このように、フィリピンでは若くて優秀な人材が確保しやすいという特徴があります。
また、「海外に拠点をつくる」という目的でオフショアをしている会社さんにとって、1億人を超えてもなお、成長市場であるフィリピンに拠点を進出させることは、大きなメリットになっています。
➂英語が通じる
フィリピンでは英語が公用語の1つになっています。そのため、コミュニケーションが比較的取りやすいということも大きなメリットです。
「数ある国の中で、フィリピンに業務委託した理由は何ですか?」というアンケートでは、「英語が通じるから」という回答が一番多いという結果になりました。
英語でコミュニケーションがとれるということは、海外進出へのハードルを下げる手助けになっているようです。
➃日本から近い
日本から近いということもフィリピンオフショアの大きなメリットになっているようです。飛行機にのれば4時間程度で行くことができるので、万が一トラブルが起きてしまったときでもすぐに現地に駆け付けることができます。
近年はマニラまでの航空券も往復3~5万円程度と安くなっていますし、気軽に行くことができるという点は、オフショアにおいて重要なポイントです。また、時差も1時間と短いため、いつでも連絡が取りやすいということもメリットになっています。
➄日本人との相性が良い
「フィリピンにオフショアしてみて、よかったことを教えてください」というアンケート項目に対して、フィリピン人の国民性に関する回答が目立ちました。具体的には、「フィリピン人はコミュ力がある」「親日的で、穏やかな人が多い」「人がやさしく、努力をしたり尽くしたりすることに抵抗がない」などです。
このように、フィリピン人の穏やかで優しく、フレンドリーな国民性はビジネスをともにするパートナーとして大きなメリットになっているようです。
2.フィリピンオフショアのよくある失敗例と対処法
フィリピンでのオフショアは良いことばかりではありません。「実際にフィリピンでのビジネスに成功する企業は半分程度」と語る経営者の方もいるように、トラブルは少なからず発生するだろうと覚悟しておくべきでしょう。
この章では、フィリピンでのオフショア経験者に聞いた、フィリピンオフショアのよくある失敗例やその対処法について解説していきます!
➀思ったより安くない
フィリピンのオフショアでよくあるのが、「人件費が安いので油断してたら、滞在費に渡航費、オフィスの賃料も、、あれ、、、思ったよりコストメリット出ないじゃん!」というパターンです。
フィリピンでは現在も毎年のように物価や人件費が上昇しています。そのため、コスト削減のみを目的にオフショアをしていると、すぐには結果が出ず、「思ったよりも安くない!」ということがよく起こります。
対処法としては、「結果を急がずに組織をきちんと育ててからコストメリットを目指すこと」や「コストメリットだけでなく、海外拠点をつくるなどの目的も前提として海外進出にふみきること」が挙げられます。すぐにコストメリットをだしてやろう!と意気込んでオフショアしても、最初はなかなかうまくいかないのがフィリピンオフショアのリアルな現状のようです。
➁フィリピン人が割とルーズ
フィリピン人はよく言えば穏やかでマイペースですが、見方によってはルーズともとれます。
実際にフィリピン人に関するアンケート項目でも、「納期を守る意識が低い」「人間的にきちんとしている人が少ない」「面接に時間通り来るのは数%」などの回答がちらほらありました。
このような場合には、経営者側がきちんと仕組みをつくって確実に回すことが必要になります。「納期を守るのは当たり前」という日本の文化を無理に押し付けずに、相手の文化も尊重しながら余裕を持ったスケジュールを組んでいくことが大切です。開発工程を明確にするなど、納期までの意識を高めていくようなマネジメントを心がけましょう。
➂履歴書が嘘だらけ
フィリピン人は履歴書を盛ります!
英語が話せるので、アメリカなどの欧米企業からも人気なフィリピン人エンジニアは、開発案件の下流工程をひたすらやってきたというエンジニアが多いという特徴もあります。開発案件全体の流れを把握して、自身ですべての工程を担当できるような優秀なエンジニアはまだ少ないので、履歴書でだまされないように気をつけなければなりません。
採用する前にプログラミングなどの実技テストを実施しましょう。これはフィリピンでオフショアをするならば、採用時に必ず実施することをおすすめします。アンケートでも多くの経営者が、採用フローの中で「プログラミングテスト」や「実務に近いコーディング業務」を組み込んで対策をしていました。
➃フィリピンと日本で溝ができる
よくあるパターンなのが「日本でやったほうが早い」と日本側の社員が感じてしまい、日本側とフィリピン側の間に溝ができてしまうことです。こうなってしまっては互いに良いオフショアパートナーにはなれません。
対処法としては、経営側がフィリピンでオフショアをする目的や意思をきちんと日本側の社員に伝えることが重要です。「どのような目的を持ち、オフショアをはじめるのか」「まずはきちんと組織作りをしてから、海外チームを回していくんだ!」という認識を日本側の社員にも理解してもらうことが重要でしょう。
3.リアルな現場での給与と評価について
フィリピン人エンジニアにかかる人件費としては、一般的に新卒レベルで一人当たり3~4万円、3年以上の経験者レベルで5~6万程度の月給といったところです。もちろんフィリピンは現在日本だけでなくアジアや欧米の国からもオフショアの委託先として人気なので、人件費は今後も上昇していくでしょう。
また、オフショアでは人件費の他にも、保険や賃料、渡航費、滞在費などがかかります。「フィリピンオフショアで実際にかかっている費用を教えてください。」というアンケート項目では、「5~10人規模の会社で25万円」「3~4人規模の会社で30万円」という回答があり、小~中規模のフィリピンオフショアではトータルで月に30万円前後の費用がかかっているというような調査結果でした。
また、英語が堪能なフィリピン人は外資系企業からも人気なため、フィリピンでのオフショアは人材の流動性が激しいという特徴があります。そのため、頑張って育てても他社にとられてしまうといったケースも多いです。評価制度を明確にするなどして、「一度取り込んだ人材は絶対離さない」ようにする工夫が必要です。
4.採用について
フィリピンオフショアにおけるIT人材の採用はWEBが一般的です。
マニラだとJobStreet、セブはMynimoといったといった人材サイトが有名で、このようなサイトでは1週間に100件近くの応募が来ます。しかし、前述したように履歴書はあまりあてになりませんので、プログラミングなどの実務テストを採用フローに組み込むことが必要です。
また、一番確実なのは知り合いから紹介してもらうことでしょう!アンケート調査では、「前職の同僚を引っ張ってきてもらった」「知り合いの経営者に紹介してもらった」という会社さんも多くありました。
一般的な採用のフローとしては、
求人サイトに広告を出すor人材会社に依頼する
⇩
履歴書を見て、見込みがありそうであればプログラミングテスト
⇩
面接
⇩
実業務に近い形のコーディングをする
⇩
最終面接
といった流れです。優秀な人材を確保するためにも、日本と同様の採用フローではなく、フィリピンに合わせたものを適用しましょう!
5.フィリピンオフショアに関するよくある質問
この章では、フィリピンでのオフショアに関するよくある質問を、アンケート調査をもとに回答しています。フィリピンの治安や物価などに不安がある方は、ぜひ最後までお読みください!
Q1 フィリピンの治安はどうですか?
「月に一度1週間程度マニラに滞在しているが、フィリピンでの治安に不安を感じたことはない。」「治安が悪いという人もいますが、きちんと場所を選んで行動していれば危険なことはないと思います。」
フィリピンでの治安はそこまで心配ないという方が多いようです。また、気になるフィリピンへの渡航頻度ですが、月に一度の方や、半年に一度の方、すでに常駐している方など、渡航頻度は会社さんによって様々でした。
Q2 物価は安い?高い?
「物価は安いです。日本でいう炒め物定食のようなものが300円程度で食べられます。」「首都のマニラにあるオフィスですが、賃料も安くて助かっています。」
物価は上昇傾向にあるといいつつも、日本と比較すると格段に安いというのが現状のようです。食費や滞在費、賃料が安くて済むのはオフショアする上で嬉しいメリットですね。
Q3 フィリピンでオフショアするならどの都市がいいですか?
今回アンケート調査を実施した方全員がマニラでのオフショア経験者でした。フィリピンオフショアで1番人気なのがフィリピンの首都であるマニラ、2番人気が物価も安くリゾート地として有名なセブです。
最近の傾向としては、今後の成長性や物価の安さを求めて首都マニラ以外の地域をあえて選ぶという会社さんも増えてきているようです。
Q4 英語レベルはどのくらい?
「フィリピン人の英語はわかりやすい」という回答が多かったです。聞き取りやすい英語を話すフィリピン人とコミュニケーションをとることで、「フィリピンに行って海外進出へのハードルが下がった」という前向きな経営者さんの回答もありました。
日本と同様に小さい時から英語を習うので、大卒のフィリピン人であれば、基本的な会話は問題ない人がほとんどのようです。
Q5 他社さんがフィリピンに委託している業務を知りたい!
「HP制作、レポート作成、システム開発、ソフト開発、新サービスの開発・販売」など会社さんによって委託している業務は様々でした。どんな業務であれ、何を会社の目的としてフィリピンに業務委託するのか、という点が重要になってくるという印象でした。
6.フィリピンでおすすめの開発会社5選
株式会社スプラシア
多くの開発実績がある株式会社スプラシアでは、フィリピンのセブ島でもオフショア開発を展開しています。デジタルメディアや動画系のサービスの経験実績が特に豊富で、日本品質とコストメリットを実現できる潤沢な開発リソースがあります。オフショア開発の案件によって、MVP開発(最小限の開発でアイデアを検証)、ラボ開発(一定期間の契約で自社に新たな開発チームを組織)、請負開発(設計から開発までを一気通貫で実行)の中から最適なオフショア開発プランを選択できるのもスプラシアのメリットです。
社名 | 株式会社スプラシア |
本社所在地 | 東京都中央区築地1-13-14 NBF東銀座スクエア8階 |
TEL | 03-6820-8620 |
公式サイト | https://www.sprasia.co.jp/ |
iworks株式会社
2008年に設立されたiworksは、2012年フィリピンのセブ島にもオフショア開発会社を設立しました。WEB制作やシステム開発を得意とし、コスト削減を目的としたオフショア開発をサポートしています。iworksの特徴は、フィリピン滞在中のサポートから、エンジニアの採用、言語教育、開発環境など、企業が海外進出する際のサポート体制が整っていることです。「はじめてのオフショア開発で何から始めたらいいかわからない」という会社さんにもおすすめできるオフショア企業です。
社名 | iworks株式会社 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング9F |
TEL | 03-6425-6346 |
公式サイト | https://www.i-wks.com/ |
株式会社ビズウインド
フィリピン・マニラの中心地であるマカティ市に開発センターがあるビズウインドは、開発スキル、実績ともに経験豊富なオフショア企業です。開発は、日本国内のチームと現地による合同プロジェクトのかたちで行われるので、語学力に自身のない会社さんでもオフショア開発を安心して任せることができます。
社名 | 株式会社ビズウインド |
本社所在地 | 東京都千代田区神田美土代町9-17日宝神田淡路町ビル4階 |
公式サイト | https://www.bizwind.co.jp/offshore_jp/ |
株式会社デジタルスタジオ
マニラにオフショア開発の拠点を持つデジタルスタジオでは、web系サービスとBPOサービスが対応可能です。近年、開発業務をオフショアするだけでなく、データ入力やコールセンターなどの業務もオフショアする企業が増えています。デジタルスタジオのBPOサービスでは、各種データエントリーや作図、費用対効果に優れたデータ入力サービスを提供しています。
社名 | 株式会社デジタルスタジオ |
本社所在地 | 東京都港区六本木3-16-35 イースト六本木ビル7F |
TEL | 048-661-3210 |
公式サイト | https://www.ds-style.com/ |
月電ソフトウェア株式会社
1990年にマニラでオフショア拠点を開設した月電ソフトウェアでは、フィリピンオフショアの開発実績が豊富という安心感があります。約380名のフィリピン人エンジニアに対し、約20名のベテラン日本人エンジニアが常駐しているので、コミュニケーションの心配もありません。オフショア開発だけでなく、ニアショア開発のサービスも提供しているので、「業務委託したいけど、委託先が決められない」という会社さんにおすすめです。
社名 | 月電ソフトウェア株式会社 |
本社所在地 | 福島県福島市太平寺字沖高68番地 |
TEL | 024-539-8400 |
公式サイト | http://www.tsukiden.co.jp/ |
7.まとめ
フィリピンでのオフショアについて、経験者の方のアンケートをもとにまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
- エンジニアの月給は、新卒レベルで3~4万、3年以上の経験者レベルで5~6万
- 若い人材が豊富な将来性のある国
- フィリピンでは英語が公用語の1つになっている
- フィリピン人は穏やかでフランクだけど少しルーズな部分がある
- 欧米からも業務委託先として人気なため、人材の流動性が激しい
フィリピンは平均年齢が23歳前後と若く、将来性があり、オフショアの委託先として近年人気の国です。
ぜひ一度、フィリピンに足を運び現地視察をしてみてはいかがでしょうか。