オフショアでも人気のrubyとは?人気の理由や、開発例を紹介!

近年プログラミング言語のひとつであるRubyが注目を集め、オフショア開発でも頻繁に使われるようになりました。
今回の記事ではrubyの基本情報、特徴、メリット、人気の秘密、そして実際にRubyによってどんなことが可能なのかを初心者にも分かりやすくご紹介していきます。Rubyを導入してみたい、Rubyとはどんな言語なのか気になるという方はぜひ読んでみてください。

Rubyとは何か

“Ruby”とは、日本のソフトエンジニアであるまつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語です。
現在世界にはC言語、Java、PHP、Swift、Pythonなどさまざまなプログラミング言語がありますが、Rubyもそのなかのひとつになります。
これらのプログラミング言語のなかでも、C言語やJavaはコンパイラ言語と呼ばれます。コンパイラの場合、人間の手によって書かれたプログラム(ソース)を一度に機械コードに変換しなければ実行できません。
しかし、Rubyはスクリプト言語なのでコンパイラの必要はありません。ソースコードを記述するとそのまま動作を実行できるのでコンパイラ言語よりも簡単に扱うことができます。また、Rubyは「オブジェクト指向言語」なので、そのメリットを活かすこともできます。
オブジェクト指向言語のメリットには、
・プログラムの柔軟性が高いので修正や再利用が簡単
・大規模なプログラムを書きやすくなる
・綺麗なソースを書くことで誰でも理解しやすいブログラムになるなどがあります。
Rubyという名前の由来は宝石の「ルビー」からきています。かつてまつもと氏が務めていた会社の同僚の誕生日が7月で、7月の誕生石がルビーであったことからこの名前がつけられたそうです。
Rubyは日本人が開発した言語ということで「日本発のプログラミング言語」ということになります。

Rubyの特徴

Rubyの特徴にはさまざまなものがありますが、そのなかでも特に大きな特徴といえるのが「他のプログラミング言語に比べて記述量が少ない」ということです。
ソースコードの記述量が少なくてもよいということは、それだけ開発におけるスピードが格段に早くなる、さらに覚えるのも容易になる、といったメリットがあるということです。また、記述量が少ないソースコードは可読性に優れているのでコンピュータ側も読み取りやすく、安定性や保守性という点でも質の高いプログラムを作ることが可能となります。
実際に、JavaとRubyのコード量を比較してみましょう。
【Javaの記述】
class Hello {
public static void main(String[] args) {
System.out.println(“おはよう”);
}
}
【Rubyの記述】
puts “おはよう”

このようにRubyのほうがコード量は少なく済むのです。
また、既に上述しましたがRubyはオブジェクト指向言語であるということもひとつの特徴になります。
オブジェクト指向言語には「 継承」、「カブセル化」、「ポリモーフィズム」という三大要素があります。
継承
既に書かれたプログラムを受け継ぐことができます。この特徴のおかげでコードが共通する部分は再利用することができ、効率よくソフトウェア開発を行うことができます。また、再利用できるということは最初から作り直す必要もなくなります。
カプセル化
カプセル化はプログラムの安全性を高めるために、指定した方法以外では外部からアクセスできないようにする機能です。この機能により外部からの不審なアクセス、想定外のアクセスによってデータが書き換えられることを防ぎ、プログラムを保護します。
ポリモーフィズム
ポリモーフィズムとは「多様性」「多態性」とも呼ばれ、同じ名前で複数プログラミングされたものでもそれぞれ独立して存在することを許す性質を持ちます。例えばスマホで動画を繰り返し再生するプログラムを複数作成し、いずれも「Replay」という名前で作った場合、ポリモーフィズムが含まれない言語だとプログラムが二重に読み込まれてエラーが出てしまいます。しかしRubyであれば複数のプログラムを同じ名前で作成してもエラーを出さずに実行することができます。

Rubyはなぜ日本で人気なのか?

日本ではクックパッドやクラウドワークスといった大手企業もRubyを導入してサイトを作成しています。
Rubyはなぜ日本で人気なのでしょうか?
日本語で最新情報が得られる
まずやはり、Rubyは日本で開発されたプログラミング言語であるという点が大きいです。
C言語やJavaなどはもともと海外初のプログラミング言語なので最新のアップデートなどは英語で発信されることが多く、いち早くそれを取り入れるためにはある程度の英語スキルが必要になります。英語で書かれた参考書が翻訳されて日本で出版されることもありますが、誤訳によって本来の意味とは違った説明をしているケースもみられます。
その点、Rubyは日本発のプログラミング言語なので最新のアップデートもすぐに日本語で読むことができますし、日本語で書かれた参考書も多く販売されています。日本人にとってはいちばんよい環境でひとつのプログラミング言語を扱えるということになります。
Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)の存在
Rubyの人気を決定的にしたのは「Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)」の存在です。
Ruby on Railsはオープンソースで提供されているWebアプリケーションフレームワークであり、簡単な操作とコマンドだけで自動でWEBサイトを作成することができます。Rubyのフレームワークはいろんな種類がありますが、実際の開発で用いられているフレームワークのほとんどはRuby on Railsといわれています。Ruby on Railsによって開発期間を大幅に短縮できる、開発コストを大きく下げることができるといったメリットが好感されて、大手企業だけでなくベンチャー企業もRubyを幅広く導入しています。

もともとRuby開発陣は「Enjoy for Programing!」をテーマに掲げていて、いかに楽しくプログラミングできるか、いかに簡単にプログラミングできるかといった点を重視しています。そのため他の言語よりもコーディングしやすく、Rubyを一から学ぶプログラマーやデザイナーにとっても比較的優しく始められるのが人気の秘密となっています。

Rubyでできること

Rubyを使うことで具体的に何ができるのかを見ていきます。

WEBアプリケーションの開発

Rubyを使った開発で最も多いのがWEBアプリケーションです。クックパッドや食べログといったサイトもRubyを使って作成されていますし、クラウドワークスのようなマッチングサービスサイトでも幅広く取り入れられています。ほかにもSNSやキュレーションメディアサイトなどを作成する場合にもRubyを導入している企業が多いです。

スマホアプリ(API)の開発

スマホアプリの開発ではJavaやSwiftなどの言語が用いるのが普通です。もちろんそれらの言語だけでアプリの開発を終了させることもできますが、サーバーでのデータ保存(例えばユーザーの登録情報の保存・管理)を行う場合、APIと呼ばれる新たなプログラムの作成が必要になります。そのAPIの作成のため記述が簡単なRubyが用いられることもあります。

社内システムの開発

自社の社内システムにRubyが使われることも多くなりました。例えば販売管理システム、売上管理システム、出欠管理システムなど、さまざまな社内業務の最適化にRubyを使用したシステムが作られています。

RubyはRuby on Railsによって非常に速いスピードでシステム開発をすることができるので、自社独自の社内システムの構築に役立ちます。
Ruby特有のメリットを考えると日本国内でのRuby人気はさらに高まり、幅広く用いられる言語としてシェアを広げていくことになるでしょう。そして世界でもRubyを使用するエンジニアは増えてきています。
自社でRubyを使った開発を進めるとき、オフショア開発でRubyを使いこなせる人材を採用するという選択肢もあるように思われます。Rubyを扱える海外のエンジニアの存在、また世界におけるRubyの今後の動向やシェア率についても注目しておきたいところです。

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